
暮らしに馴染み、支える椅子を作りたい。
そんな想いを込めて、縁の下の力持ちからとった「enno (えんの)」という屋号で活動をされている大橋力さん。

兵庫県丹波篠山で、その土地にあった物作りであったり、使用する木の成り立ちや素性を把握し、木に極力負担をかける事なく、無駄なく材料取りができるようにと、地元から切り出された栗の木を丸太から調達されています。
使用できる状態まで1〜2年の乾燥期間が必要で、正直その間はお金が寝てしまうような状況が続くわけですが、丸太から切り出す方が自分自身が作りたい物への材料取りの自由度が高い事、そして輸入材の使用頻度が増している昨今、国内の木材が流通していく為に、そしてその木材を扱う方々に、仕事と喜びが届けられるようにという想いもあり、自ら原木市へと通われています。
座編みに使うペーパーコードの和紙は、愛媛で作られている物だそうです。手漉き和紙等の類いではないのですが、座編みで使用するには十分な強度があり、価格もそれほど高価な物ではないので、椅子の価格をはじめ、長年使用する中でのメンテナンスとして必要な座面の編み直しの際の費用なども抑える事ができます。


適材適所。
まさにそんな言葉がピッタリな大橋さんの座編み椅子。

玄関、リビング、ダイニング。キッチンに洗面、ワーキングスペース。それぞれの場所、それぞれの方の暮らしに温もりと喜びを添えてくれます。
“暮らしを支える道具を作りたい”そんな想いと仕事が形作る、誠実で温もり感じる椅子達に是非一度触れて頂けたらと思います。
店主

